Department of
Chemistry and
Materials
Engineering

学科紹介

マテリアル科学コース
育成する技術者像と学習・教育到達目標
育成する技術者像
マテリアル科学コースの教育プログラムでは、社会が要望するマテリアル科学の基礎に精通し、高度化する「ものづくり」に付随する諸問題の解決に積極的に取り組むことのできる技術者の育成をめざしている。
(A) 人類の幸福・福祉と技術者倫理について考える能力の修得
(A-1) 地球的視点から多面的に物事を考える能力とその素養
 全学共通科目A群 人間性(こころを科学する、ことばと思考、哲学を学ぶ、心理学を学ぶ、日本語を学ぶ、日本の近代文学を読む、日本の文化と人間を考える、入門・新しい部落問題、など)、社会性(技術と社会、生活の中の経済学、イスラム社会を考える、社会学で学ぶ現代社会、自然災害の科学)および国際性(世界の宗教、科学と技術、アジアの中の日本歴史、憲法と平和、西洋の歴史を学ぶ、ルネサンス文化に親しむ、近代科学の系譜、異文化への理解を深める、など)などの学問を通じて人類の幸福・福祉などの概念が多岐にわたることを認識する。自らの幸福や人生の目的、自分の特徴などを考える能力および自分自身や自国のみならず他者・他国の立場から物事を考える能力を養う。

(A-2) 材料工学と技術者倫理
 材料の技術者の立場から技術者倫理を理解し、技術が社会および自然に及ぼす影響・効果に関する理解力を深め、技術者として社会に対する責任を自覚する能力を養う。
(B) 数学、自然科学、情報技術の基本知識とそれらを応用できる能力の修得
 工学を学ぶ上で基本となる数学、自然科学および情報技術の基礎知識と応用力を修得する。数学では1変数関数の微積分から微分方程式、偏微分、重積分などの微分積分を修得する。自然科学では物理と化学を基本として、物理では力学を中心とした運動、力、エネルギー等および電気・磁気現象を中心とした電磁気学などを修得する。化学では化学結合、物質の状態、化学平衡、化学反応などの基礎知識と応用力を修得する。情報技術ではコンピュータサイエンスの基本知識を学ぶとともに、コンピュータの基本操作を含むコンピュータネットワーク関連知識を修得する。
(C) 材料工学の基本知識の修得
 「材料の構造・性質」「材料のプロセス」および「材料の機能および設計・利用」に関する基礎知識を修得する。「材料の構造・性質」では、結晶構造や格子欠陥のような原子レベルの大きさにおいて理解し、顕微鏡組織と状態図との関係および組織と材料の性質に関する基本を修得する。「材料のプロセス」では、精錬、鋳造・凝固、塑性加工などの基本製造プロセスに注目してその基本知識を修得する。「材料の機能および設計・利用」では、材料力学、製図および物性・機能の基礎を修得する。
(D) 材料工学の基本技術とまとめる能力の修得
 実験・実習・演習を通じて材料の開発を行うに当たって重要かつ不可欠な実験の計画・実行およびデータ解析の能力を修得する。また、与えられた制約の下で計画的に仕事を進め、まとめる能力を修得する。さらに、実験・実習・演習に個人またはチームで取り組み、まとめるにあたり必要となる知識・情報を自主的、継続的に学習する能力を身につける。
(E) 材料工学の専門知識の修得
 数学、自然科学および材料工学に関する基本知識に立脚して、材料工学の専門知識を修得する。材料の構造と物性を関連させて考えるために、結晶構造の解析、物性および相変態などの基礎・原理の専門知識を修得する。材料のプロセスを精錬・精製、鋳造・凝固、焼結、接合、塑性加工などの製造プロセスに注目してその専門知識を修得する。材料の機能および設計・利用をするために、金属材料・半導体材料・高分子材料などの機能と利用に関する専門知識を修得する。
(F) 専門技術の展開能力ならびに問題提起・解決能力の修得
 材料工学の立場から社会のニーズを取り込んで個人またはチームで問題提起を行い、材料分野に関する学問・技術を動員し、正解のない問題に取り組むことにより、デザイン能力を養う。とくに「特別研究ⅠおよびⅡ」を通して、個人またはチームで問題を提起し、専門技術を展開して問題を解決する能力、さらに創意工夫により問題を解決する方策を切り開いていける創造性などを養う。
(G) 情報収集と発信を行う能力の修得
 情報化社会において、生涯にわたって自主的に学習する能力、すなわち自分で新たな知識や適切な情報を獲得する能力や批判的思考力を養う。さらに自らが見出した新しい情報などを的確に発信できる能力を養うために、日本語あるいは英語などにより論理的に記述する能力、口頭発表能力、討議などのコミュニケーション能力を修得する。
(H) 循環型社会に適応した材料技術者の備えるべき能力の修得
自らが関わる地域社会の課題に関して、生活環境・資源消費から地球環境・資源保護に至るまで、「ものづくり」「地場産業」を支える技術者として常に関心をもち、現状を把握する能力、個人またはチームで問題を提起し、解決する能力を養う。
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